正反対の性格の2人の出会いと変化を描いた映画『最強のふたり』。
2019年12月20日にハリウッド・リメイク版『THE UPSIDE/最強のふたり』が公開予定されている人気の名作映画で、「リメイク版を観る前に旧作の方を観てみた」という方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな『最強のふたり』を観た方向けに、「面白かった!」という方から「面白さが分からなかった」という方にまで共感・納得していただけるような感想と、分からない部分があったという方向けの疑問に答える考察をご紹介していきます!
本記事は、2011年公開オリジナル版フランス映画『最強のふたり』のレビューです!
(本文の写真は映画とは関係ありません)
Contents
映画『最強のふたり』の感想・考察!感動的で未来を感じられるラスト!
映画『最強のふたり』とは
映画『インフェルノ』などに出演されているオマール・シーと、『主婦マリーがしたこと』などに出演されているフランソワ・クリュゼによる実在の人物・実話をもとにしたヒューマンドラマ映画です。
事故の後遺症で全身麻痺の状態になり車いす生活を余儀なくされたとある富豪・フィリップ(フランソワ・クリュゼ)と、失業保険目当てにやってきたはずなのになぜか介護役として採用されてしまったスラム出身の自由気ままな青年・ドリス(オマール・シー)。
そんな正反対の2人が出会い、少しずつハッピーに、最高に笑える『最強のふたり』になっていく姿や人生を追うストーリーになっています。
映画『最強のふたり』の感想

今作のお気に入りポイントは3点!
- 映画『最高の人生の見つけ方』と似ている部分は多いものの、違いもしっかりとあったという点
- 少しずつ良い変化を迎えていく2人に心温まる点
- 感動的でしっかりと未来を感じさせる優しいラスト
映画『最高の人生の見つけ方』と似ているけど

今作は富豪の白人男性と貧乏な黒人男性の2人が出会い、友情を育んでいく作品ということで、映画『最高の人生の見つけ方』と似ている部分も多いのですが、受ける印象が違う部分も多かったですね。
正反対な2人の男たちが出会うという設定・ストーリー自体は似ているのですが、今作の方がどちらかと言えばキャラクターの背景がより重ためですし、下世話な話やブラックジョークも多くなっているので好みは別れやすいかなと思います。
個人的にはブラックジョージ自体が嫌いではないということもあるかもしれませんが、ズケズケと本音をフィリップにぶつけるドリスと、それに嬉しそうにしているフィリップの笑顔…言葉とは裏腹に丁寧な心のこもった世話をするドリスのギャップにほっこりと心温まるものがあって、今作のテーマとブラックジョークがいい具合にマッチしていて好きでした。
なので今作は『最高の人生の見つけ方』がお好きな方にはぜひともおすすめしたい作品ではあるのですが、ブラックジョークが苦手な方にはあまりおすすめしないですね。逆にそんな今作のブラックジョークがあまり好きではなかったという方には、ぜひとも『最高の人生の見つけ方』の方をチェックしてみていただきたいです!
誕生日会から少しずつ変わっていく2人

最初は致し方なく、イヤイヤという空気感を醸し出しながら一緒にいた2人でしたが、少しずつ時間をかけて仲良くなっていき、お互いに良き影響を与え合いながら少しずつ笑顔が増えて幸せになっていく姿がとても微笑ましくて良かったですね。
特に微笑ましかったのがフィリップの誕生日会!
クラシック音楽に無関心だったドリスがだんだんと興味を示すようになり、自分の中のイメージや知識と照らし合わせながら音楽を楽しむようになっていき…フィリップは動かない身体で寂しさだけではなく、皆と過ごす楽しさや笑顔を取り戻していました。
2人の心情の変化が映像からも表情からも読み取りやすくなっていて、映画内のワンシーンとして良かったというだけではなく、良き変化を迎えて幸せに向かっている姿に心がほっこりとするような…ステキな誕生日会だったなと個人的には思います。
今作のことがちょっと苦手かも…と序盤で視聴を止めてしまったという方には、ぜひこの誕生日会まではチェックしてみていただきたいです!
感動的で未来を感じられるラスト

今作は感動的だけど未来のこともちゃんと考えられているラストも良かったですね!
家族のために別れを決意した2人ですが、フィリップの体調不良や荒れ具合を見かねてかドリスは屋敷に呼び戻され、再び悪さをしながらドライブをするような…今までの2人のように戻りました。
しかしそのまま元の鞘に納まるのではなく、フィリップを文通相手とほぼ無理やりに近い形で会わせ、結局自分はフィリップの元を去るという…別れるけどお互いがしっかりと幸せになっている形でエンディングを迎えているのが素晴らしかったです!
ただフィリップの元に戻るだけでは同じことを何度も繰り返し、彼の心も身体も傷付けて気付かない痛みを蓄積するだけになってしまいますから…そうならないように、彼にも新たな出会いや心の拠り所、信頼できる人物や場所を増やすというのがドリスらしく、自由で、感動的だけど笑えるステキなラストでしたね。
なので今作はヒューマンドラマにありがちなハッピーエンドだけど悲しい…といったラストが苦手な方、皆がハッピーエンドに終わってくれる作品をお求めの方におすすめしたい映画になっています!
映画『最強のふたり』の考察

タイトルの意味と今作で伝えたかったことについて、フィリップと文通相手との出会い・結婚について考察していきます。
あくまでも個人的な考察ではあるのですが「分からない部分があった」「どういうことだったんだろう?」と悩んでいたという方はぜひ参考にしてみてください!
タイトル『最強のふたり』の意味と伝えたいこと

今作では立場や血縁などは関係なく、些細な出会いから『最強』に変わるきっかけはあるということを伝えたかったのではないかなと思います。
『最強』とは力や財産ではなく、家族を愛し守る意志を持つ人物のこと。
家族縁の薄かった2人の男達が出会ったことによって、お互いに良き影響を与え合って幸せな未来が開け、家族を顧みる余裕が生まれて…家族を愛し大切にする『最強の自分』になることができました。
そんな最強の男になるきっかけは立場や血縁すらも関係なく、ほんのささいな出会いから気付くことにあるということを伝えたかったのではないでしょうか。
フィリップと文通相手との結婚

自分の身体のことを気にして文通相手と会うことを拒否していたフィリップの心に気付いたドリスが文通相手と秘かに連絡を取ってフィリップに内緒で2人を会わせ、心を通じ合わせて身体的な部分を受け入れ乗り越えた2人は結婚という道を進んでいきました。
この結婚が金銭目的とか偽善と取る方もいらっしゃるかもしれませんが、半年間も文通を続けていた関係を思えばそれだけではない…そういった部分ももしかしたらあるかもしれないけれども、それだけでは結婚まではいかないだろうと個人的には思います。
この2人の恋愛関係は、マンガ『パーフェクトワールド』に少し似ていましたね。
障がいの程度・年齢・財産といった違いもありますが、障がい故に恋に対して消極的になっている行動や心理描写には近いものがありました。
なのでこういった恋模様に疑問があった方、まだモヤモヤする部分があるという方は、マンガ『パーフェクトワールド』を読んでみるとより理解・納得できる部分が増えるかもしれないので、少しでも興味のある方はぜひマンガの方をチェックしてみてください!
まとめ

正反対の2人の出会いと変化を描いた映画『最強のふたり』についてご紹介しました。
感動するのに笑える、笑えるのに感動するシーンやセリフの多い映画で、ヒューマンドラマ作品がお好きという方にだけではなく、苦手という方にもおすすめしたくなるような魅力あふれる映画になっていましたね。
個人的に今作はかなり気に入っているので、ハリウッド・リメイク版『THE UPSIDE/最強のふたり』ではどこが変化しているのか、リメイクに当たってどの辺りがバージョンアップされているのかも機会があればチェックしてみたいと思います!
『THE UPSIDE/最強のふたり』ハリウッドリメイク版 2019年12月20日公開版
リメイク版の予告編を紹介しますね!↓
現在、ハリウッドリメイク版の映画館上映は終了し、DVDで見ることができますよ↓(2021年・記事追記)
そして、この記事で取り上げたオリジナル版『最強のふたり』はAmazonプライムで視聴できます!
そして、映画のモデルとなったドキュメンタリーもあるよ!興味のある方はぜひどうぞ
