新聞配達をしながらイヤホンを付け、毎日「ジブリ汗まみれ」のポッドキャストの全てを何クールも聴きまくった筆者が、面白かった放送回を中心に、その内容をぎゅっと要約してその感想をお届けします。
- 「ジブリ汗まみれ」の内容がダイジェストで読める
- 鈴木敏夫さんとゲストの名言から一流の人たちの考え方を吸収できる。
- 鈴木敏夫さんとゲストのおすすめの本や映画がわかる。
(当ブログ記事は、筆者が個人的に趣味で感想を記しています。ジブリ汗まみれの公式ホームページではございません。)

今回取り上げる回は、2018年4月15日放送の『「講談師として生きる」(前編)ゲスト神田松之丞、額田久徳』からです!
(ラジオが放送された2018年4月15日時点では、神田さんは松之丞を名乗っています。)
そして本記事では、神田松之丞さんが講談師になるまでの思考プロセスを紹介します。
なので、次のような目的を持つ人は特に必見です!
- 自分の進路を決めたい人!
- 就活中の学生!
- 転職を考えている人
- 師匠に付く必要のある職業の人!
そして、
- ジブリ汗まみれのファンの人
- 神田松之丞さんに興味を持った人
今回のお話はすごいです。こんな内容がラジオで聴けるとは!
筆者は、松之丞さんの冷静な分析力に驚きました!
みなさんにもヒントになることがたくさんあると思いますよ!
感想とともに紹介していきますね!
Contents
神田松之丞(伯山)さんが講談師の道を選ぶまで!その思考がすごい!ラジオ・ジブリ汗まみれは必聴!【前編】
【News!】はじめに!本題に入る前にグッドニュースがあります!
神田松之丞(まつのじょう)さん、六代神田伯山(はくざん)襲名、真打昇進おめでとうございます!

講談師、神田松之丞さんが、2020年2月11日に真打に昇進し、六代神田伯山(はくざん)を襲名することとなりました!
本題のジブリ汗まみれの感想に入る前に、このニュースについて少しご紹介しますね!
名跡、神田伯山(はくざん)とはどんな人!?

伯山という名前は、いわば講談界の神様のような名前です。
これまで、初代から5代まで伯山を襲名してきているのですが、
読売新聞記者の長井氏によれば、
代々の伯山(はくざん)に、外れ、がいない。
とのこと!
初代伯山は、幕末から明治にかけて活躍した講談師です。
初代伯山:『徳川天一坊』が十八番。一時代を築いた。
二代目:『水滸伝』
三代目:『清水次郎長長伝』
四代目:空位(一代飛ばし)
五代目:『大菩薩峠』他
それぞれの十八番は、観客を沸かせ時代を作り、伯山の名を轟かせてきました。
伯山は、講談界の中でもひときわ異彩を放った存在であったんですね。
そして六代目が松之丞さん。
松之丞さんが襲名することで、伯山の名がいよいよ令和の世に出ることになります。
まつのじょうさんが伯山(はくざん)を襲名した理由!

長井氏によれば、
これまで講談界で「神田伯山」を名乗った男は、すべてが抜きんでた芸の持ち主だった。いわば「名人の系譜」なのである。ここに、松之丞あらため六代伯山が加わる。それがどういうことかは、松之丞自身が一番知っており、彼なりの「覚悟」があるはずだ。
やはりこの大名跡を襲名するのは、並大抵のことではないのですね。
そこで、神田松之丞さんはどう思っているか。
伯山襲名にあたり、彼のその覚悟が現れた言葉があります。
名跡は過去のものではなく、今、現在の講談界とともにあるべきだと。
この言葉が全てですね!
当然、世の中で脚光を浴びれば、応援してくれる人も増える一方で、妬みややっかみなども受けることでしょう。
いいこともそうでないことも全部背負って、講談界を盛り上げていく、講談師としての使命と責任を果たしていく、その気概が感じられますね。
(松之丞さんの襲名への想いと長井氏の伯山評を知るには公式HPのこちらの記事がgood!)
ということで、本題に戻ります!
ジブリ汗まみれ、ポッドキャストでのお話に焦点を当てていきましょう。
神田伯山(松之丞)さんが講談師になった理由を語る

- ゾクゾクと鳥肌が止まらなかった談志師匠の『らくだ』。
- この感動はなんだろうと自分で自分を分析した。
- 結果自分は人間の繊細さや人情の機微が好きなんだとわかり講談師になった。
筆者は、この話を聞いてびっくりしました!
松之丞さんは、立川談志さんの落語『らくだ』を聞いて衝撃を受けたんですね。
すると普通、そのまま談志師匠に弟子入りする流れになるかと思うじゃないですか?
違うんです。
松之丞さんのすごいところは、ここで一呼吸置くんですよ。
どういうことかと言いますと、
当時の落語界・講談界を取り巻く現状を冷静に分析するんですね。
そして自分がそこに入ったらどうなるか、どうしたいかというところまで分析して思考するのです。
ご本人曰く、石橋を叩いて渡る。
それから歩みを進めているんですね。
そこで筆者が注目するのは、神田さんの冷静な分析力!
その1点に焦点を当ててみます!
松之丞さん、15分くらいずっと鳥肌が立った体験は談志師匠だけ!

談志師匠みたときにはほんとすごかった。圧倒された。席立てなかったですね。自分が10代で感受性が強かったってのもあるんでしょうけど、すごい体験。あれ以来ないですねあんな体験。所沢ミューズで。『ラクダ』を聞いた。
松之丞さんは、談志師匠の高座をなんども聞いて、その度にシビれる感動を受けました。そしてとりわけ、その『らくだ』はすごかったようで、ご本人はこうおっしゃってます。
独演会の帰り駅の道すがら15分ぐらい鳥肌立ったのは談志師匠だけ!
実は、松之丞さんは「名人」という言葉はまやかしで、商業的で嘘くさい言葉だと10代の時に思っていたんですね。
それが談志師匠の落語を聞いた時に本当に名人はいるんだと打ちのめされたと言います。
エンターテイメントの中では映画が圧倒的だと思っていて。でも、談志師匠聞いた時、一人の人間がただぼそぼそやって喋るのがこんなにすごいんだっていう、打ちのめされるというか叩きのめされるみたいな。
これら全ての衝撃と感動体験が、後に松之丞さんを講談の道へと駆り立てるわけですね。
ここで重要なことがわかりました。
これを就職という観点から考えてみると、自分がやりたいことを見つけるには、
- 心と体を揺さぶるような衝撃の体験、出会いが大事
ということですね。
その道に進んだ、ということは、松之丞さんが談志師匠の落語と出会ったように、何らかの出会いがあるはずなんですね。
例えば、ミュージシャンなら、「子供のころライブを見て衝撃を受けた。自分もああいうステージに立ちたいと思った。」とか。
やりたいことがことがわからない、という人は、片っ端からこういった体験を求めていくのが大事かもしれませんね。
そうですね、実はそこが松之丞さんのすごいところです。
普通は、立川談志師匠の『らくだ』に感動したら、そのまま談志師匠に弟子入りしそうなものじゃないですか。
でも、彼は違ったんです。
彼が次に行なったことはなにか!見ていきましょう。
松之丞さんが次にやったのは業界分析!

- 落語、浪曲、講談とはどういうものかをもっと知ろうとした。
- 客席でお客さんとして寄席を見る体験をたくさん積もうとした。
松之丞さんは、談志師匠の落語の高座『らくだ』で鳥肌が立つほど感動しました。ですが、自分はまだ落語、浪曲、講談、それぞれについてどういうものかよくわかっていないということに気づいたんですね。なので彼は、まずは客席でそういったものをよく見てよく知ろう、というアクションを起こしました。
さらに、お客として客席で寄席をみる時間と体験が、今後の芸人人生でとても重要になることを想定し、今のうちにたくさん見てその感覚をたくさん蓄えようとしたんですね。
松之丞さんは、こう話をしています。
ぼく石橋叩いて渡るタイプなんで。この感動をわかるけど、教科書を自分の中で作ってないと思った。落語というのはどういうものか、講談とは、浪曲とは、とか、客席でそういうものができてないのに入るのはちょっと軽率かなと思った。
そこで談志師匠に行っても良かったんですけど、お客さんとして十分にみていないという意識があって、いま10年目なんですけど、だんだんとお客さんの時の感覚を忘れちゃうんですよね。それがすごく大事になるってのが皮膚感覚でわかったんで、前で見るお客としてとしている時間ってのが芸人人生で大事だろうなっていうのがわかったんで。感動したからすぐ行くんじゃなくって、もうちょっと色々みてみようと思いましたね。
そこから業界研究と分析をおこないました。
そして落語、講談、浪曲でどこに行こうかなって考えた時に、まず彼は3つの事柄について考察を行います。
- 師匠に関する分析
- ジャンルに関する分析
- 自分の感動を分析
まつのじょうさんの分析 ①師匠について
松之丞さんは次のように分析してます。
- 落語→その頃、談志師匠はご病気になっていたため、お弟子に取って頂いたとしても真打までいくのは無理だと思った。他の師匠に付いたとしても談志師匠と比べてしまうだろう。
- 浪曲→玉川福太郎先生が大好きでよく行っていた。福太郎先生が亡くなったので浪曲に行く選択はないなと思った。
- 講談→師匠の神田鯉松がとにかく魅力がある。お弟子もすごく自由にいろんなキャラクターがいて、のびのび育てていて、それでいて基礎基本に対しておそらくきちんと教えてくれそうだなと思った。
松之丞さんのすごいところは、このように自分がどの師匠についたらどうなるかまできちんと考えているところです。
さらに、談志師匠は名人ではあるけれども、お弟子の育成という点に関してはどうかというところまで考えています。
そして、談志師匠は大好きだけど、弟子入りしたらきっと自分とは相性がよくないかもしれない、と冷静に見ているんですね。
談志師匠のお弟子さんみてて、育ってる人と育ってない人が如実にありますんで、プレイヤーとしてはすごいと思うんですけど、師匠としてすごいかっていうとそこは疑問で、あまり名伯楽って人ではない、結果的にはいっぱい取ってるんで育ってるんですけど、そういうとこも含めて自分と合うかどうかっていうのもかなり青写真描いて入ったって感じですかね。
師弟関係は絶対の関係である!だからこそ慎重に選んでいるんですね。
もう後戻りできなそうだなっていう。師匠と弟子って絶対的な関係だってのは素人が考えてもわかるんですよね。だからそこはすごく大事に就職試験どころの騒ぎじゃないなって思って。自分の一生を、橋渡るみたいな感じなんですよね、一歩超えるっていう、すごく怖い思いして渡ったところが地獄だったら最悪じゃないですか。そこはすごく慎重に。
素人時代に、関係する本も読んで、自分の中で頭でっかちですけど、教科書作って行って、間違ってたらしょうがないっていうくらいまで自分を追い込みました。観客として全盛期だった気がします。あん時が一番蓄えて。弟子入り志願、うちの師匠(神田松鯉さん)のところに行ったって感じですかね。
客席で浴びるように寄席を見て、本も読んで、師匠を分析して、そういう下準備をしっかりしてから、弟子入り志願に飛び込んで行ったんですね。
松之丞さんのこの思考プロセスは、就職や進路について考えている人にとって、おおいに参考になりますね!
- 徹底して業界分析と進路シュミレーションをしよう!
自分をギリギリまで追い込んで研究して、進路をシュミレーションしたからこそ、その後の覚悟が決まったんですね。
松之丞さんの進路分析はさらに続きます!(就活や進路決定に応用できますね)
さて、こうして師匠の分析を行ったわけですが、さらに松之丞さんは、ジャンルの分析、自分が体験した感動についての分析も行っています。
これも必見です!次回の記事をお楽しみに!
(後編に続きます)
