みなさん、ラジオ「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」を聴いていますか?
新聞配達をしながらイヤホンを付け、毎日「ジブリ汗まみれ」のポッドキャストの全てを何クールも聴きまくった筆者が、面白かった放送回を中心に、その内容をぎゅっと要約してその感想をお届けします。
「ジブリ汗まみれ」を一緒に楽しもう!
- 「ジブリ汗まみれ」の内容がダイジェストで読める
- 鈴木敏夫さんの名言がわかる。
- 鈴木敏夫さんのおすすめの本や映画がわかる。
(当ブログ記事は、筆者が個人的に趣味で感想を記しています。ジブリ汗まみれの公式ホームページではございません。)
さて、早速今回の本題にいきましょう!
鈴木敏夫のジブリ汗まみれは名言連発の神ラジオ!「俺は再生工場だからな」
今回取り上げる放送回は、2016年12月放送の『「スタジオジブリの仕事術」鈴木敏夫×石井朋彦 初の指定対談(前編)』からです。
「ジブリ汗まみれ」ポッドキャストのトピックス

- 鈴木敏夫さんの元部下による、鈴木語録をまとめた本「自分を捨てる仕事術」が出版されることになった。
- 「鈴木再生工場」により、クビ寸前だった社員が、ジブリで大活躍する頼もしい存在にまで成長した。
- 鈴木敏夫さんの仕事術の秘密が明かされている。
鈴木敏夫さんの名言3つ

- 俺は再生工場だからな
- 若いことの最大の価値というのは、誰にも必要とされてないことなんだ
- 得意技を決めろ!
このあと説明していくね!
鈴木敏夫さんの名言1と仕事術「俺は再生工場だからな」

〜クビになりかけた社員を再生させた仕事術とは!?〜
鈴木さんは、徳間書店にいた時代にも、組織に馴染めない人達を100人くらい集めて雑誌アニメージュを作っていました。
鈴木さんの元部下であり、このラジオで対談している石井朋彦さんも、その鈴木再生工場で育てられた人物の一人です。
クビになりかけた社員、石井朋彦さんとはどんな人だったか
石井さんは、21、2歳の頃、応募人数300人の中から合格してジブリへ入りました。そして現場の制作進行という仕事に付きました。
ある時、A氏が鈴木さんのところへ直談判しにきました。
A氏「石井さんは、適応能力と協調性に欠けています。」
鈴木さん「・・・」
A氏「どうするか方法は2つです。鈴木さんのところで預かってくれませんか?面倒見てくれませんか?」
鈴木さん「あずからなかったらどうなるの?」
A氏「あ、もうクビにします」
鈴木敏夫さんはどう教育したか!?
鈴木さんによる石井さんの印象
「人の言うことを何も聞かずに、自分の思ったことをどんどんやろうとする」
これに対して鈴木さんは、
- 人の話を聞く
- 人の話を理解する
ことを徹底させました。
鈴木敏夫さんの名言2:若いことの最大の価値というのは、誰にも必要とされてないことなんだ

「自分の意見を捨てなさい。自分の意見を言おうとすると人の話が入ってこないから。」
「お前の意見なんて必要としてない。そのときにちゃんと自分の意見を捨てて、ノートにみんなの言うことを全部書いて、身振り手振りも書いて、会議が終わったら読み直せ、寝る前に読み直せ、そしてそれをオレに送れ」
ということで石井さんは会議の議事録を毎晩送っていたんですね。
石井さん「それをしてるうちにみんなの言ってることが入ってきた。仕事って面白いんだ。自分にこだわると小さい世界しかみえないんだ。」
鈴木さん「人間が生きてくうえで何が大事か。読み、書き、そろばんの3つ。これができれば、人間って生きていけるはず。読んで理解すること、その理解したことを書くこと。見てて、若い人にここが弱いことが多い。」
こうして石井さんは、人の言ったこと、自分の読んだものを正確に第三者に伝える能力を身につけました。
これが仕事を進める上で重要な石井さんの得意技になります。
鈴木敏夫さんの無茶振り 「これ、暗記してよ」
鈴木さん「アニメーション映画ってのは、絵コンテが絶対。だから、そこに書かれた絵、そしてどういうセリフがあるか、これ、暗記してよ。」
絵コンテを暗記した石井さんは、いわば鈴木さんの外部記憶装置としての役割を果たします。
石井さんは、鈴木さんの代わりに、宮崎駿さんと毎日やりとりを交わす役割を担うことになります。
さらにここで鈴木さんは、宮崎、高畑監督といった巨匠とコミニュケーションを取る時の秘訣を石井さんに伝授しました。
鈴木敏夫さんが宮崎駿監督、高畑勲監督と話をするときの秘訣を伝授!

宮崎駿監督と話すコツ:最初に結論を言え
最初に結論を言え。
宮さんはせっかちだから、最初に3つあります、と言え。
一つ目を言ってる間に2つ目を考える、思いつく。
高畑勲監督と話すコツ:すぐ返事するな
何か言われたらすぐ返事するな
本当に頭のいい人はすぐ返事するとわかっていないと思われる
わかってなくてもいいから、斜め上を見て3秒考えたふりをしろ
鈴木敏夫さんの名言3:得意技を決めろ!

このように、情報を正確に第三者に伝えるという能力で大活躍した石井さん。これは、まさに石井さんの得意技となっており、鈴木さんも太鼓判を押しています。
どうしたら得意技を見つけられるか。見つけたらどう活用するか。
ここで鈴木さんは、石井さんに質問します。
鈴木さん「お前に得意技の見つけ方を教えてやろう。宮崎駿の得意技はなんだ!?」と。
鈴木「そんな奴はいっぱいいる、もっと細分化しろ」
鈴木「宮さんの得意技は、ストーリーでも企画でもなく、誰もみたことのない面白いキャラクターを思いつく名人なんだ!これだけは世界に唯一、宮さんしかない特出した特技なんだ!」
「だから俺は宮さんにそういう企画をやるように仕向けてきたし、そうじゃない得意技でやろうとした時は、いや、そうじゃないんじゃないですかねえって言って、常に宮さんがそうなるようにしてきた。」
「だから身の回りの自分の関係者のその人にしかない得意技を全部言葉にして、それをいっぱい集めると仕事が面白いんだ。相手のことも尊敬できるし。お前に持ってないものを持ってる奴がいるからそいつと組め。」
石井朋彦著「自分を捨てる仕事術」
このように、鈴木さんの元で鍛えられた石井さん。今では株式会社クラフター取締役プロデューサーとして活躍中です。
その石井朋彦さんが書いた本が「自分を捨てる仕事術」
ラジオで喋っていた鈴木敏夫さんの仕事術のエッセンスは、実はほんの一部です。
石井さんが鈴木さんの元で働いていた時に書き留めた鈴木語録のメモは、なんとダンボール2、3箱分にも及ぶんですって!すごい、、。
この本はそのメモをもとに書かれた本です。この回の放送も、出版を記念してのトークショーなんですね。
筆者ももちろん読みました。ジブリ作品制作を支える裏側の真髄が見えてきて、とても感慨深かったです。ここまで読んでくださったあなたの心にもきっと響く言葉があると思います。おすすめです。
さらに、ここまで読んでくださった読者の方に、筆者が感動した鈴木さんの名言を一つ追加でご紹介して終わりにしましょう。
鈴木敏夫さんの名言4:とにかく「一歩一歩だよ」

石井さん曰く、「何をやっても目標に到達しないけど、鈴木さんはずっとこれを言い続けてくださった」
- 一歩一歩だよ
人間って、早く良くなろうと思って、早く目標に到達しようと思って、時に焦ったり、落ち込んだり、自己嫌悪に陥ったりするけれど、やっぱり、何事も、一歩一歩。
この鈴木さんの言葉を噛み締めると、明日も安心して歩いていけそうですね。
